vSAN iSCSIターゲット(VIT)の障害時の挙動について
VITは、アクティブ/パッシブな構成なので、1つのターゲット/LUNに対して、1つのアクティブ I/Oパスのみサポートします。
以下の図がわかりやすいですが、ターゲットのI/Oオーナーがダウンした場合、イニシエータは既存のターゲットポータルへの接続を再試行し、新しくI/Oオーナーになったホストにリダイレクトされます。
images: https://storagehub.vmware.com
"ターゲットのI/Oオーナー"は以下の赤枠で囲まれたESXiホスト(esxi02.lab.local)
"ターゲットポータル"は、以下の赤枠で囲まれたESXiホスト(esxi01.lab.local)
先に説明した通り、VITはアクティブ/パッシブな構成なので、アクティブなI/Oオーナーはesxi02になり、esxi01はパッシブになります。
次に、アクティブオーナーである、esxi02が予期せずダウンした事を想定して、再起動させてみます。
IOオーナーのホストがesxi04に切り替わりました。
挙動としては、おおまかには以下のような動作です。
- イニシエータは、IOオーナーのホスト(esxi02)との接続が失われ、ターゲットポータル(esxi01)へ接続の再試行要求を出す。
- 新しいI/Oオーナーのホスト(esxi04)が選出される。
- ターゲットポータル(esxi01)は、選出されたI/Oオーナーのホスト(esxi04)にリダイレクトする。
以下は、切り替わり時のvitd.logの出力結果です。
2019-06-20T14:43:54Z vitd[67222]: VITD: Thread-0x7514336700 xx.xx.xx.xx (iqn.1991-05.com.microsoft:win-53ggkq348ci): VitdGetTargetAddr: target owner for target iqn.1998-01.com.vmware:a985217e-de62-a4e7-671a-5f5c5b9b2e35 is 5d05f041-9f31-dacf-4e20-0050568e042f
2019-06-20T14:43:54Z vitd[67222]: VITD: Thread-0x7514336700 xx.xx.xx.xx (iqn.1991-05.com.microsoft:win-53ggkq348ci): Got redirect IP address and port number: xx.xx.xx.104:3260, ///esxi04へリダイレクト
2019-06-20T14:43:54Z vitd[67222]: VITD: Thread-0x7514336700 xx.xx.xx.xx (iqn.1991-05.com.microsoft:win-53ggkq348ci): The connection is redirected. Drop the connection!
以上です。
次回は、MPIOについても、記載する予定です。