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VMware関連のトラブルシュート・設定・検証関連の備忘録

vSAN iSCSIターゲット(VIT)について

vSAN 6.5でサポートされたvSAN iSCSIターゲット(VIT)について

 vSAN 6.7でも機能が変わったので、改めて機能の違いや構築の仕方を勉強するため、今回、検証を行ってみました。

 

■vSAN 6.5での制限事項

  • 物理サーバーのみ
  • SQLAlways ON Availability Groups/DFS-R/Oracle RACをサポート
  • WSFCの共有ボリュームとしての使用は非サポート(vSAN 6.7から)
  • ESXiからの接続は非サポート

 

■検証環境

  • iSCSIターゲット (ESXi 6.5.0d/vSAN 6.6)
  • iSCSIイニシエータ(Windows Server 2012R2)

 

まずは、vSAN iSCSIターゲットサービス(VIT)を有効にします。

設定 > 全般 > 編集をクリック

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チェックボックスをオンにしてVITサービスを有効にします。 iSCSIネットワークに使用するVMKernel Portを選択します。

デフォルトの認証は"なし"と一方向もしくは、双方向のCHAP認証を使用できます。

今回は"なし"を選択しました。

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これで、VITサービスが有効になります。次に iSCSIターゲットとLUNを定義します。

IQNは自動的に生成されますので、ターゲットとLUNのエイリアスの定義

LUNのサイズと任意のvSAN Storage Policyを設定します。

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次のステップは、イニシエータグループを作成し、イニシエータを許可します。

デフォルトでは、すべてのイニシエータが許可されていますが、セキュリティ上の理由から、イニシエータグループを作成してそのグループを許可するようにします。

 

 ここでは、"Win-iSCSI-GRP"というiSCSIイニシエータグループを作成し、iSCSIイニシエータのWindowsマシンのIQNを登録しました。

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イニシエータグループが作成されたら、イニシエータにターゲットポータルへのアクセスを許可します。 以下の画面で、"アクセス可能なターゲット"をクリックしてターゲットを追加し、ポータル検出を承認します。 これをしないと、イニシエータのDiscovery時に認証エラーが発生する可能性があります。

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<Windowsマシン側の設定>

アプリから"iSCSIイニシエーター"を起動します。

探索 > ターゲットポータルの探索 > vSANクラスタホストのIPアドレスまたはDNS名を入力

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IQNが表示され、非アクティブと表示されます。

”接続"をクリックすると、お気に入りのターゲットへの追加とマルチパスセッションの有効化をすることができます。 マルチパスセッションを設定するには、"複数パスを有効にする"にチェックを入れて、別のターゲットポータルを追加し、複数の異なるセッションを作成します。

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OKをクリックします。

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接続が完了したら、エクスプローラを開いてディスクの管理を確認します。

3GBのVolumeがマウントできてますね。

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フォーマットして、ボリューム(E)を作成する事ができました。

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以上です。

 

vSAN 6.5のVITはまだ制約がありますが、すぐに設定ができて、Storage policyが適用された可用性の高いDiskをiSCSIとして使用できるのはいいですね。

 

参考資料

https://storagehub.vmware.com/t/vmware-vsan/iscsi-target-usage-guide/

https://kb.vmware.com/s/article/2148216?lang=en_US

https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.virtualsan.doc/GUID-13ADF2FC-9664-448B-A9F3-31059E8FC80E.html